〜北越急行・HK100形〜
北越急行は1997年3月22日に開業した、上越線六日町を起点とし十日町を通って信越線犀潟に
至る路線です。当初非電化の国鉄北越北線として1962年に計画され、着工された路線でしたが、
国鉄の財政事情悪化によって1980年に工事が中断されました。その後1984年に地元自治体と
新潟県が出資した第3セクター北越急行株式会社が設立され、翌年から工事が再開されました。 この路線は約7割がトンネルで、しかも難工事となったものが多かったものの、全体としては 高速運転の条件に恵まれており、在来線高速化の流れに合わせた形で160km/h運転が可能な 高規格路線への変更がなされました。それに伴って全線60kg重軌条、ノーズ可動式分岐器、 高速対応架線が採用されています。また高速運転を行なうための信号システム(G-G現示)も 導入されています。 車両は、特急用としてJR西日本の681系と同一設計である681系2000番代を9連2本導入したほか、 普通・快速列車用としてHK100形と呼ばれる車両を9両導入しました。このHK-100形は地域密着を コンセプトに設計され、雪に強くしかも車内は快適でありながら効率な経営を目指した 車両です。そのため1M方式でワンマン設備を搭載した車両となっています。 普通列車は高速で走る特急の合間を縫って走ることになることから、最高速度よりも高加速の 方に重点が置かれ、VVVFインバータ制御を採用しています。VVVF装置はIGBT素子を使用した三菱 電機のものが採用されていますが、電動機出力は95KWであることから、JRの209系シリーズに 始まるシステムが使われているものと思います。ブレーキは回生・発電の併用です。 車内は100-1〜7まではセミクロス、8と9は特別仕様車となっており、転換クロスシートが 設置されています。また両者で車体塗色が異なっています。それ以外の設備は基本的に同一です。 |
HK100形一般車のサイドビュー。マスコットのラビットと「Hokuetsu Express」の文字、
大型のLED行先表示器が特徴です。 HK100-6、越後湯沢にて。(1998/12/20) |
HK100形一般車の車内です。セミクロスシートの車内となっています。 HK100-6、越後湯沢にて。(1998/12/20) |
ワンマン設備が設置された運転台です。運賃箱と運賃表、次駅を案内するLED表示器が設置されて
います。結構開放的な印象を受けました。 HK100-6、越後湯沢にて。(1998/12/20) |
HK100形は新潟鉄工の製造です。気動車の製造が多い同社の中では電車の製造は珍しいのでは ないでしょうか。 HK100-6、越後湯沢にて。(1998/12/20) |