〜阪神電気鉄道・山陽電気鉄道〜


 阪神電気鉄道は、大阪・梅田と神戸・元町を結ぶ阪神本線と、尼崎〜西九条を結ぶ西大阪線、 武庫川〜武庫川団地前を結ぶ武庫川線の2つの支線の営業キロ計40.1kmという、大手私鉄では相 鉄に次いで短い会社線です。なお、保有車両数は314両(98年3月)と、大手では最小となっています。 各停用の車両は4両、急行用の車両は6両編成となっており、色も区別されています。
 路線は典型的な都市型鉄道で、阪神本線77%、西大阪線84%と線路の立体化が非常に進んでいるのが 特徴です。現在でも西宮周辺で立体化工事が行なわれており、今後もこの割合は増加していく予定で す。
 阪神にとって転機となったのは、やはり1995年1月17日の阪神・淡路大震災でしょう。高架式の 石屋川車庫が崩壊したのをはじめ、同年6月25日まで一部区間が不通になるなど甚大な被害を受けました。 実に41両の車両を廃車にせざるをえなかったのです。
 その震災復旧車として、各停用の5500系、急行用の9000系が投入され、制御方式も阪神初のVVVF 方式となりました。5500系は最初に4連2本の8両が新造されましたが、現在では本数も増えています。
 阪神間では最も激戦区にあって、線形の悪さなどで不利な立場の阪神電車ですが、きめこまかい サービスで頑張っている会社といえそうでしょう。

 また、山陽電鉄は西代から山陽姫路を結ぶ本線と、飾磨と山陽網干を結ぶ網干線からなっていて、 本線は西代から神戸高速鉄道とつながっていて、阪急・阪神とレールがつながっています。神戸高速 とは1968年4月7日から直通運転が始まっていたのですが、長い間梅田−姫路間の直通列車は存在せず、 山陽電鉄にとっては梅田直通は「悲願」だったようです。話が具体化するきっかけになったのは、 これも阪神・淡路大震災であり、その後のJRの大攻勢が引き金になったといえましょう。
 こうして1998年2月15日、阪神梅田と山陽姫路を結ぶ直通特急が走りはじめ、また阪急の乗り入れ 形態も変わり、高速線内の様子がずいぶん変わりました。これからの直通特急が楽しみです。


9300系 9300系
加速音[her9300a.mp3/452KB]
収録日時:阪神電鉄主催試乗会にて(2001.02.25)
収録車両:9302号車
制御方式:VVVFインバータ制御(東芝2レベル3300V-IGBT・1C8M制御、SVF047-A0型)
主電動機:130kW×4(TDK6146-A型、歯車比97:16=6.06)
※音夢(ねむ)様ご提供
 2001年3月1日から営業運転を開始する9300系のサウンドをいち早くご提供してくださいました。 厚く感謝申し上げます。

減速音[her9300b.mp3/599KB]
収録日時:阪神電鉄主催試乗会にて(2001.02.25)
収録車両:9302号車
※音夢(ねむ)様ご提供
 阪神9300系は東芝の制御機器を使用しています。3300VのIGBT-VVVFで、タイプとしては JR東海313系や東急3000系(東芝)といったところに分類されそうです。

阪神5500系 5500系(高音)[her5500a.ra/180KB]
5500系(低音)[her5500b.ra/182KB]
5500系(ミックス)[her5500c.ra/183KB]
 震災で8両失った各停用の復旧車として、1995年9月に1次車が落成しました。最初の1・2次車は 武庫川車両製でしたが、その後1997年に登場した3〜5次車までは川崎重工製となりました。 98年4月14日より運転を開始した6次車5511Fは、再び武庫川車両製となっています。現在は、4連 6本の合計24両が在籍しています。
 外部塗装は36年ぶりにデザインが変更され、鮮やかな色となりました。また制御装置は阪神では 初めてのVVVF方式となり、三菱GTO標準のものが搭載されています。編成は4両オール電動車で、 加速度は起動時については抑えてあるものの、その後の加速はまさに「ジェットカー」で、80km/hに達 するのに20秒そこそこしかかからない、優れものです。
 非同期の音は高めですが、なぜか5506−5606のユニットだけが低い音になっています。98年4月の 関西収録で、運良く見つけることができましたので、その低い音と、高低ミックスも合わせて掲載 しています。ミックス版は、貫通路の中にマイクを入れて収録したものです。

阪神9000系 9000系(その1)[her9000a.ra/231KB]
9000系(その2)[her9000b.ra/281KB/RealAudio5.0形式]
 各停用の5500系に対して、急行用の震災復旧車として造られたのが9000系です。こちらは 設計にかけられる時間が短かく工期短縮の必要もあったため、車体に関してはメーカ主導となり、 阪神としては「シルバージェット」以来約20年ぶりのステンレス車となりました。制御装置は5500系 同様VVVFとなり、三菱GTO標準のものを使っていますが、非同期の音が高く、また長いのが特徴です。  1996年3月20日から営業運転に入っていて、現在は登場時と同じ6連5本の合計30両が在籍していま すが、一気に30両も造る必要があったことから、阪神の系列メーカである武庫川車両ではなく、 すべて川崎重工製となっているのが特徴です。
 1998年2月15日から、山陽電鉄姫路までの直通特急乗り入れが開始しましたが、この9000系も 直通特急運用に入ることがあります。

山陽5030系 山陽5030系(高速線内)[ser5030a.ra/224KB]
山陽5030系(阪神線内)[ser5030b.ra/287KB/RealAudio5.0形式]
 輸送力の増強を図るために、1998年2月15日の阪神梅田−山陽姫路の直通特急運転開始を控えた 1997年3月25日、この5030系は落成し、6月下旬から営業運転を開始しました。この形式は、クロス シート車の5000系をベースに造られた車両ですが、制御方式はVVVFとなり、側面の行き先表示が LEDになったり、1+2人掛けの自動転換クロスシートを採用したりするなど、いろいろと変更点のある 車両です。
 趣味的には何といっても制御装置で、VVVFは富士電機製のIGBTを搭載しています。VVVF車両として は私鉄車両唯一の富士電機製ですし、このメーカのVVVF自体、JRを入れても数えるほどしか採用されていない、 希少価値が高い車両です。音は、日立や東洋のIGBTと似た音なのですが、それとは明らかに違う音が しています。また、以前から気になっていたJR四国7000系試験車もほぼ同じ音がします。こちらは JR四国の車両のページへ行って比較してもらうと分かるかと思います。
 5030系は、5000系6連車と合わせて主に直通特急の運用に入っていて、なかなか捕まらない車両 なのですが、乗る価値のある車両でした。


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(C)音鉄館/OTOTETSU-KAN/おとてつ 1997-2009 作成:1998年5月17日 最終更新:2009年1月25日
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