〜広島電鉄・5000形〜
5000形「グリーンムーバー」は6編成が投入された3950形「グリーンライナー」の後継車
にあたりますが、3950形には車内にステップがあることから、乗り降りしやすい車両の
投入が望まれていました。そこでドイツ・ジーメンス社の超低床電車「コンビーノ」を
アルナ工機を窓口として導入したのが「グリーンムーバー」です。「GREEN MOVER=グリーンムーバー」
は、「移動のしやすさ」を表現したネーミングであり、超低床ゆえの乗降のスムーズさも
同時に表現されています。また「グリーン」には新鮮さと環境へのやさしさを表現しています。 5000形は5車体3台車の編成で、車体はアルミ合金製です。台車は両端のA・B車と中間のE車に ついています。またC・D車には両側合わせて3ヶ所の客用扉があり、うち2ヶ所は両開き1.3m幅と 広いものになっています。客室内はA・B・E車がクロスシート、残るC・D車はバケットタイプの ロングシートとなっています。室内はとてもお洒落な感じがします。 制御装置はジーメンス製のIGBT-VVVFで、制御装置はA・B車の屋根上に設置されたトラクションコンテナ に内蔵されています。動力台車は1台車あたり2基の電動機(100KW)を直角カルダン駆動で独立車輪を 駆動しています。ブレーキ装置は回生・発電併用で、3km/h以下になると油圧式ディスクブレーキが 作用します。そのため空気圧縮機を積んでいません。 5000形は1998年度内に導入する必要があったため、1編成目は異例の空輸で広島に搬入されました。 その後1999年6月9日から営業運転についています。1999年秋には3編成、2000年度・2001年度に それぞれ4編成を導入し、合計12編成となる予定です。 |
5000形を上方から眺めた写真です。先頭車になるA・B車の屋根上にはトラクションコンテナ
(VVVF制御装置)が、C・D車の屋根上には客室用クーラーが積まれています。 胡町〜銀山町間にて(1999/07/28) |
5000形の車内です。手すりの色や座席の形・色といったあたりに欧州らしさを感じます。 5001D、広電宮島にて(1999/07/27) |
独特な形状をした運転席です。力行・減速は右側のマスコンですべて行ないます。空気圧縮機が
ないため、メータは速度計のみです。 5001A、広島駅前にて(1999/07/27) |
5000形は電気機器はSIEMENS、車体関係はDUEWAGの製造です。アルナ工機が日本側の窓口になって
います。 5001Aにて(1999/07/27) |