〜JR北海道・731系〜
人口が集中しつづける札幌都市圏の通勤輸送に対応し、ラッシュ時における大幅な列車遅延や
「積み残し」を避けるべく開発された、JR北海道では初めての本格的な通勤型電車です。経年30
年近い711系の純粋な後継車両として位置づけられている車両でもあります。1996年の登場で、
1998年増備分の3次車をもって、とりあえずの増備が完了する予定となっています。 乗降時分を短縮するために、デッキ無しの3扉オールロングシートとし、北海道の厳しい冬の 雪にも負けないための各種装備、また小樽以遠から札幌に直接乗り入れてくる気動車の輸送改善 のために、731系に続いて開発されたキハ201系と協調運転できるように、自動幌やEC・DC総括制 御装置を搭載しているのが特徴です。 制御装置は721系1000番代F1009編成で試験された、日立製のIGBT素子を利用したVVVF制御装置 を採用しています。JR北海道は、メーカと共同でIGBT素子を使用した地上設備への影響が少ない 交流回生付きのコンバータ・インバータシステムを開発してきましたが、今回その成果が731系 に生かされたことになります。F1009編成の方は日立IGBTの前期のものでしたが、731系では後期 のものが使われています。そのため前者と後者で音が若干異なり、731系はJR西日本の223系1000 番代といった車両とほぼ同じになっています。回生ブレーキは、JR北海道の電車としては初めて の搭載となりました。 室内は前述の通り、デッキ無しのオールロングシートなため、夏季の暖気や冬季の寒気流入防 止に対する対策が施されていて、ドアまわりに目をやると上方と左右にはエアカーテンが設置さ れています。またドア付近の座席は跳ね上げ式となっています。またドアの上には、次の停車駅 を表示するLEDの案内表示器が設置されています。 |
731系のVVVF装置。日立IGBTです。
明るさ不足で見づらい画像になってしまいました。
モハ731-103、手稲にて。(1998/09/11)
ドア脇にはエアカーテンや折り畳み座席が、ドア上にはLED案内表示器が設置されています。 モハ731-103、札幌にて(1998/09/11) |