〜小田急電鉄・1000形ワイドドア〜
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※前ページの写真は、1556F1556、新百合ヶ丘にて。(1998/06/21)
ラッシュ時の乗降時分を短縮するためには、ドア幅を広げるかドア数を増やすかの2通りの
選択肢がありますが、小田急では乗降位置の関係から前者を選択し、1991年にドア幅を国内
最大の2m(先頭車の運転台直後のみ1.6m)に広げた1000形ワイドドア車を登場させました。
番号は在来車に500を足して4連は1500番台、6連は1700番台から始まっています。1次車は
4連6連ともに2本ずつ投入されました。千代田線への乗り入れ装備はありません。 1次車の特徴として、車端部を除く座席を跳ね上げて立席スペースとできるほか、スタンション ポールが設置されていましたが、乗車時間が長い小田急線では乗客にはもちろんのこと、さらに 社内でも相当な不評であったため、座席を跳ね上げることは一度もなかったそうです。それでも 登場時は10連オールワイドドアという準急を走らせるなど限定した使い方がされていました。 このワイドドア車から車内の案内表示器が設置されるようになりましたが、1次車では比較する 意味からか、フリーパターン式のLED案内表示器とLCDによる案内表示器の2通りが用意されました。 LEDの方は後に採用された編成とは異なり、7文字表示タイプが使われています。側面窓はパワー ウィンドウが採用され、側面の行先表示はLEDが採用されています。 翌年の1992年には2次車として4連4本が増備されました。2次車では跳ね上げ式だった座席は 固定となり、5人がけから6人がけに変更となりました。またLCDの案内表示器を各扉上に配置し ました。ドアチャイムも設置され、これは小田急では初めてとなっています。 なお、1次車のスタンションポールは撤去され、さらに扉間5人がけだった跳ね上げ式の座席は 2次車と同じ6人がけ・固定のものに更新されています。さらに、1次車・2次車のLCD案内表示器も 撤去されています。 2000形登場後、1998年から2mの扉幅を1.6mに縮め、同時に扉間の座席を6人がけから7人がけに 改造する工事が順次進められています。1751F・1551Fに積まれていたLED案内表示器は千鳥配置に 変更され、撤去された表示器は1752F・1552Fに移されています。なお、ドアエンジンも交換され 2000形と同じものに取り替えられています。 工事が終了した編成の外観は基本的に同じなため、外から見るとドアが開き足りないように 見えますが、車内から見るとちゃんと開いてみえるという何ともあべこべな車両に生まれ変わっ ています。 ワイドドア車の4連はノーマル編成の4連とペアを組み、各停や準急運用に入っています。 ワイドドア車は新宿方に連結されます。6連は単独で各停に入ったり急行運用に入ったりして 幅広く活躍しています。時には箱根湯本急行に入ることもあります。 |
1000形ワイドドア車の側面行先表示はLEDとなりました。英語併記はできません。
左は4連が珍しく急行運用に入ったときのものです。 左・1552にて(1998/04/17)、右・1555にて(1997/12/21) |
1000形ワイドドア車の2次車の車内です。LCDはすでに撤去されています。扉間は6人がけです。 1555、新百合ヶ丘にて(1998/06/21) |
扉幅が1.6mに改造された後の車内です。扉間は7人がけになりました。扉窓の大きさに注目です。 1952、成城学園前にて(1998/06/21) |
扉幅が1.6mに改造された後の車両の外観は、側扉に取ってが増設されたのと扉窓が若干変わった以外
変化がないのですが、
扉が開いているときは開き足りないような感じになります。 1952、成城学園前にて(1998/06/21) |