〜大阪市交通局・北大阪急行・OTS〜


 大阪の地下鉄は東京に遅れること6年後の1933年5月20日、梅田〜心斎橋間が開業したのが 始まりです。当初から大阪市営として走り続け、現在では市営交通の根幹を担っています。
 路線は最も歴史が古く、また最も混雑している御堂筋線をはじめ、谷町線、四つ橋線、中央線、 千日前線、堺筋線、長堀鶴見緑地線の7路線から形成されています。堺筋線は阪急京都線や千里線と 直通運転をするために架空線方式の直流1500Vを採用し、長堀鶴見緑地線は小断面のリニア地下鉄 でこちらも架空線1500Vを採用していますが、これ以外はすべて第三軌条の直流750Vとなっていま す。なお、軌間はすべて1435mmの標準軌です。この他に新交通システムであるニュートラムがあります。
 北大阪急行は御堂筋線の延長という形で1970年2月24日に開業した路線です。会社としては 阪急の子会社(阪急が50%出資している)にあたり、車内の木目調の化粧板などにその特徴が垣間 見られます。運転形態は相互直通運転となっています。
 大阪港トランスポートシステム(OTS)は、中央線の大阪港から一駅のコスモスクエアまでの 2.4kmの路線を有し、1997年12月18日に開業しました。形態は完全に中央線の延長路線という形 なのですが、大阪市営とならず、第3セクターという形となったものです。中央線と同じく相互 直通運転を行なっている近鉄東大阪線とともに、3者で相互乗り入れを行なっています。

30系 30系
走行音[osa30a.ra/172KB]
収録区間:谷町線 関目高殿→野江内代(2000.03.25)
制御方式:抵抗制御(MMC-HTB-20D型)
主電動機:120kW(SE-540型、歯車比7.36=103:14)
※谷町線用として登場し、かつては最大勢力を誇り各線でみられた形式ですが、現在は谷町線のみで見られる形式です。

60系 60系
走行音[osa60a.ra/180KB]
収録区間:堺筋線 長堀橋→堺筋本町(2000.03.25)
制御方式:抵抗制御(MMC-HTB-20F型)
主電動機:120kW(SE-600型またはMB-3161-A型、歯車比5.82=99:17)
※堺筋線開業用に投入された形式で、現在は40両が残っています。ローレル賞受賞形式です。

大阪市交20系 20系(4桁車)(東芝)[osa20sa.ra/141KB]
20系(4桁車)(日立)[osa20ha.ra/202KB]
20系(4桁車)(三菱)[osa20ma.ra/144KB]
20系(4桁車)(三菱+日立MIX)[osa20mix.ra/195KB]
20系(4桁車)(東芝VF+三菱M)[osa20sma.ra/179KB]
 1984年12月(24日くらいだと思ったがうろ覚え)から営業運転を開始した、国内では初めてとなった VVVF制御の量産形式です。中央線に6連7本、谷町線に6連9本が導入され、谷町線の車両は30番代に 区別されています。中央線用の車両は近鉄東大阪線に乗り入れることから、抑速ブレーキを装備し ているのが大きな違いです。制御装置は東芝・三菱・日立の3社フルラインアップですが、制御装置 とモータのメーカが一致しているのは2601編成(3社フル)と2637〜39編成(日立)のみとなっています。
この形式が登場した当時はまだ大容量のGTOがなかったため、接続形態は1C4Mとはなっていますが、 実際は1C2M2群制御で、各M車に2台ずつ制御装置が積まれています。中央線に配置されているトップ ナンバーの2601編成は、3両のM車すべてのメーカが違うため、個々に音が異なります。VVVF制御草創 期の車両のため、すべて初期の音です。
大阪市交20系  では、順々に説明していきましょう。
 東芝の制御装置は2601編成の2101号車(コスモスクエア方から2両目)と2605〜07編成に積まれて います(モータは三菱です)。谷町線の東芝VVVFは三菱のモータとの組み合わせなのですが、2101号車 の音とは少し違う音がしています。登場当初はもっとすごい音をたてていたらしいですが、そこまで は知りません。それでも違いが気になりましたので、掲載しておきます。
 三菱の制御装置は2601編成の2301号車(生駒方から3両目)と2604編成(モータは日立)、2634〜36 編成(モータは東芝)に積まれています。2301号車で収録した場合、隣りの2201号車の音が大きく 入ってしまうため、2604編成で収録しています。非同期から数えて2段目が短いです。
 日立の制御装置は2601編成の2201号車(生駒方から2両目)と2602・2603編成(モータは東芝)、および 2637〜2639編成に積まれています。聴いてすぐに分かると思いますが、非同期から数えて2段目と3段目 の音が非常にのびています。減速音は後の日立GTO標準を思わせる高い音です。
 三菱+日立混合というのは、前述の2201号車と2301号車の間で聞こえる音のことで、聴いていて なかなか面白いです。三菱と日立のものをそれぞれよくお聴きになってから聴いてみてください。 でないと、どれが三菱でどれが日立なのか分かりません(笑)。

大阪市交新20系 新20系(東芝)[osan20sa.ra/179KB]
新20系(日立)[osan20ha.ra/179KB]
新20系(三菱)[osan20ma.ra/173KB]
 20系(4桁車)の後継として、新20系(と、呼ばれる車両)は1990年に登場しました。
機器は4桁車のものを踏襲ということになっていたので、同形式ということになっていますが、 内装や車体デザインはもちろんのこと、GTO素子の大容量化によって接続形態が1C4Mとなり、また VVVF装置の形式は同じとなっていはいるものの、音が変わったためほとんど別形式のような車両で す。さらに、車号が5桁になっています。頭の2桁をとって御堂筋線では21系、谷町線では22系、 四つ橋線では23系、中央線では24系と呼ばれています。24系に抑速ブレーキが搭載されているほかは 基本的にほぼ同一仕様です。なお、1996年の新造車からドア上のLED表示器とドアチャイムが追加されてい ます。
大阪市交新20系  3社のメーカが揃っていますが、走行音に差はありませんので、お好きなのをお聴きください。 幸い、ファイルサイズもほとんど同じなことですし…。
 東芝のVVVFを積んでいる編成は21系の04・05・08・09・12編成、22系の19編成、23系は01〜04・ 10編成、24系は04・05編成、25系は01・02・05・06編成です。
 三菱のVVVFを積んでいる編成は21系の06・07編成、22系の05〜10・12編成、23系は05〜09・ 11〜13編成、24系・25系は分かりません。
 日立のVVVFを積んでいる編成は21系の01〜03・10・11・16・17編成、22系の01〜04・11編成、 23系は未確認、24系の01〜03編成、25系の03・04編成です。
 それ以外についてはすべて未確認となっております。

大阪市交66系 66系(三菱)[osa66msa.ra/157KB]
66系(日立)[osa66hma.ra/171KB]
66系(東芝)[osa66sha.ra/146KB]
 冒頭に書きましたとおり、堺筋線は阪急京都線・千里線との直通運転を前提としてつくられた 路線のため、第三軌条式ではなく、阪急側に合わせた1500Vの架空線式集電となっています。車両基地は 堺筋線沿線にはなく、阪急京都線の相川〜正雀間にあります。開業当初から走り続けてきた60系 の置き換えや延伸開業のために66系が1990年に登場しました。当初は3M3Tの6連でしたが、後に4M4T の8連になっています。「く」の字形の前面、前面の貫通扉や助士側の大きな窓が特徴です。
 制御装置は20系と同様3社すべて揃っていますが、制御装置とモータのメーカは一致していないよう です。01・02編成は三菱VVVFと東芝Mの組み合わせ、03〜05編成は日立VVVFと三菱Mの組み合わせ、 06〜08編成は東芝VVVFと日立Mの組み合わせです。収録途中に見かけた11編成は日立VVVFでした。 新20系と似た音ですが、非同期からの音の高さが全然違います。3社とも大差はないものと思われ ます。なお、適当に発車メロディーも混ぜてありますので、その辺もお楽しみください。

大阪市交70系 70系(日立)[osa70ha.ra/167KB]
70系(三菱)[osa70ma.ra/164KB]
70系(東芝)[osa70sa.ra/147KB]
70系(日立VF+三菱Mその1)[osa70hma.ra/165KB]
70系(日立VF+三菱Mその2)[osa70hmb.ra/231KB]
 長堀鶴見緑地線(当初は鶴見緑地線)は、日本初のリニアモータ駆動の小断面地下鉄として 1990年3月20日に京橋〜鶴見緑地間が開業しました。1996年12月11日に心斎橋まで延長、1997年 8月29日には西は大正まで、東は門真南まで延長され現在の形になっています。
 この路線用の70系は開業に先立った1989年に登場しています。制御装置やモータに関しては 共通設計だったようで、3社揃ってはいるものの、特に差異は見当たりません。4両編成で オールMとなっています。
大阪市交70系  7101〜03編成はVVVF、モータとも日立製、7104〜06・12編成はVVVF、モータとも三菱製、 7107〜10編成はVVVF、モータとも東芝、7111・13は日立のVVVFと三菱のモータを積んでいるとの ことです。フラットが激しいのがありますが、全部公開しておきました。日立VF+三菱Mが2つあり ますが、音の違いはありません。実は発車メロディーを全部入れているのですが、「その2」がないと 全部大正方面行きのものに統一されてしまうので、つまらないなと思って入れただけです(笑)。
 特記事項として、三菱のものを収録した7262号車は、70系の試作車のうちの1両であり、この 車両は以前、リニアモータではなく回転型モータを装備していました。

北急8000系 北急8000系(御堂筋線内)[koe8000a.ra/147KB]
北急8000系(北急線内)[koe8000b.ra/307KB]
 これも冒頭でちょっと述べましたが、北大阪急行は御堂筋線の延長線といえる路線で、 大阪万博を機として1970年2月24日に開業した路線です。この会社は阪急が50%を出資している 事実上阪急の子会社であり、車両にもその影響が見られます。
 車両の製造はアルナ工機であることや、東芝の制御装置を採用していたり、車内が木目調の 化粧板が使われていたりするところに阪急色が出ています。走行音は大阪市交の20系(4桁車)の 東芝のものに似ています。違うところは減速時の回生失効が早いため、途中で切れてしまうとこ ろでしょう。また北急線内に入ると、さわやかなドアチャイムを鳴らしてくれます。ちょっと 区間が長いですが、これも掲載しました。
 特記事項として、車内の貫通路に自動ドア(開くときだけ)を採用しているのが目を引くところで す。ドアをちょっと引くと2つのドアが同時に開くのです。閉じるのはドアチェッカの役目で、勝手 に閉まってくれます。日本の通勤車では唯一のものでしょう。

OTS系 OTS系[otsa.ra/194KB] ストリーム再生
 1997年12月18日に開業したOTS大阪テクノポート線の開業用に製造された車両です。2編成とも 車両製造メーカは日立です。車両は中央線で使用している24系とほぼ同仕様で、 抑速ブレーキを搭載しています。また製造時期の関係から新20系最新車に装備してある、 ドアチャイムとドア上のLED表示器も装備しています。
 運用形態は中央線・近鉄東大阪線と相互乗り入れを行なっており、OTS系自体の検査などについ ても中央線の森ノ宮検車場に委託という形が取られています。それにしても、一駅だけの路線で 運賃が210円ですから、ちょっと高いですね…。普通の利用者は2社以上にまたがって利用するの ですから、上乗せによる負担は大きいと思います。


[ 最新情報 ]  [ JR各社 ]  [関東大手公営]  [関西大手公営]  [中国四国地方]
[ 更新情報 ]  [北海道・東北]  [中部北陸地方]  [関西ローカル]  [九州沖縄地方]
[最初にどうぞ]  [関東ローカル]  [車内チャイム]  [特集コーナー]

音鉄館INDEXへ戻る
総合インデックスへ戻る

(C)音鉄館/OTOTETSU-KAN/おとてつ 1997-2009 作成:1998年7月16日 最終更新:2009年1月25日
このページに掲載されている画像・音データの無断転載を禁じます。