〜札幌市交通局〜


 最北の都会・札幌に地下鉄が開業したのは、札幌冬季オリンピックが行なわれた前年である 1971年12月16日のことでした。全国では4番目の都市に開通した地下鉄となります。最初に開通 したのは南北線北24条〜真駒内間で、真駒内には屋外スケートリンクなどのオリンピック施設 が建設されました。札幌市交の地下鉄は日本では初めての「案内軌条式」の鉄道で、案内軌条 式のことばはこのときにできたものです。ゴムタイヤを使用し中央に案内軌条がある独特のも のです。南北線の平岸〜真駒内間は、シェルタで覆われた高架区間となっています。
 その後、1976年6月10日に東西線琴似〜白石間が開通、1978年3月16日には南北線北24条〜麻生 間が延長開業し、南北線は現在にいたっています。1982年3月21日には東西線白石〜新さっぽろ間 、そして1988年12月2日には東豊線栄町〜豊水すすきの間が開業しています。なお、1999年2月 には東西線琴似〜宮の沢間が延長開業しています。
 車両は、南北線には電機子チョッパ制御の3000系、VVVFインバータ 制御の5000系が活躍しています。なお開業当時からの2000系はすべて引退しています。東西線には 電機子チョッパ制御の6000系、1998年8月18日から 営業運転を開始した8000系が活躍しています。なお、宮の沢延伸に合わせて編成を6両から7両 に増強することになり、6000系には中間にVVVFインバータ制御の8300形を挿入しています。 東豊線では電機子チョッパ制御の7000系が活躍しています。
 札幌に市電が登場したのは、1918年(大正7年)のことです。起源は1909年(明治42年)に開通した 馬車鉄道で石材輸送が目的でした。当初は1372mm軌間で開通する予定だったそうなのですが、 第1次世界大戦の影響でイギリスからの輸入が困難となり、急遽名古屋電気鉄道から車両を購入 した関係から1067mm軌間となったそうです。その後、路線は拡張を続け、1927年(昭和2年)に 札幌市に買収されました。
 札幌市電の最盛期は1964年(昭和39年)頃で、路線延長は25kmにも及びましたが、地下鉄建設 計画の推進とともに次々と路線が廃止され、現在では西4丁目〜すすきの間の1系統・8.5kmが 残るのみとなっています。
 架線電圧は直流600Vで、1067mm軌間であるためか、外観がすらっとしていてスリムな印象を 受ける車両が多いのが特徴です。1985年にはVVVF制御車である8500形が投入され、1987年には 増備車である8510形、1988年には8520形が投入されています。
 札幌市交通局はCI活動に熱心で、1993年から在来車両の塗色更新や、停留所の更新が行なわ れています。ウィズユーカードと呼ばれるプリペイドカードが発売され、ストアードフェアシ ステムも導入されています。「ST」のマークはなかなかいいデザインだと思います。

※写真をクリックすると、各形式の詳細ページに飛びます。


5000系 5000系
走行音(日立)[stb5000ha.ra/173KB]
収録区間:南北線 北12条→北18条(2000.07.27)
制御方式:VVVFインバータ制御(日立IGBT初期型)
主電動機:EFO-K60(150kW)、2個並列2群接続
※1〜3番編成は日立の制御装置を積んでいます。

走行音(東芝1)[stp5000s1a.ra/221KB]
収録区間:南北線 麻生→北34条(2000.07.29)
制御方式:VVVFインバータ制御(東芝IGBT初期型)
※2次車のうち4・5番編成は東芝の制御装置を積んでいます。

走行音(東芝2)[stb5000s2a.ra/170KB]
収録区間:南北線 北12条→北18条(2000.07.27)
制御方式:VVVFインバータ制御(東芝IGBT後期型)
※4次車のうち12〜15番編成と5次車の16・17番編成は4・5番編成と同じ東芝のIGBTなのですが、両者で 非同期の音の高さが少し異なります。比較してみると面白いでしょう。

走行音(三菱)[stb5000ma.ra/180KB]
収録区間:南北線 北12条→北18条(2000.07.27)
制御方式:VVVFインバータ制御(三菱IGBT)
※6〜11番編成は三菱の制御装置を積んでいます。

3000系 3000系
走行音[stb3000a.ra/192KB]
収録区間:南北線 中島公園→すすきの(2000.07.26)
制御方式:電機子チョッパ制御
※3000系は正式には2000系の8次車〜13次車のグループで、1978(昭和53)年度から1992(平成2)年度に かけて製造された車両です。東西線用6000系をベースにした電機子チョッパ制御となっています。

8000系 8000系
走行音[stb8000a.ra/195KB]
収録区間:東西線 琴似→二十四軒(2000.07.26)
制御方式:VVVFインバータ制御(東芝IGBT・2レベル3300V)
主電動機:SEA-374(70kW)、4個並列2群接続
※おそらくJR・私鉄通して初の3300V・2レベルIGBTの登場となった車であると思われます。東芝の 制御機器を積んでいますが、VVVFからの非同期音がほとんどないのが特徴です。

6000系 6000系・8300形
6000系走行音[stb6000a.ra/201KB]
収録区間:東西線 琴似→二十四軒(2000.07.26)
制御方式:電機子チョッパ制御
※東西線用の6000系は電機子チョッパ制御の車です。比較的ハッキリと聞こえます。

8300形走行音(日立)[stb8300ha.ra/188KB]
収録区間:東西線 円山公園→西28丁目(2000.07.26)
制御方式:VVVFインバータ制御(日立IGBT)
主電動機:SEA-374(東芝製)・MB-5075-A(三菱製)・EFO-K60(日立製)・MLR107(富士電機製)、出力70kW・4個並列2群接続
※6000系の7連化に伴って挿入されたM車で、制御装置には日立と三菱の2種類があります。 こちらは日立のですが、起動時・停止時のわずかな時間しか非同期の音は聞こえてきません。

8300形走行音(三菱)[stb8300ma.ra/224KB]
収録区間:東西線 南郷18丁目→南郷13丁目(2000.07.26)
制御方式:VVVFインバータ制御(三菱IGBT)
※こちらは三菱の制御機器を積んだ8300形の走行音です。

7000系 7000系
走行音[stb7000a.ra/173KB]
収録区間:東豊線 東区役所前→北13条東(2000.07.26)
制御方式:電機子チョッパ制御
※東豊線を走っている車両で、6000系に準じた設計となっています。

8510形 8510形
走行音[sp8510a.ra/146KB]
収録区間:行啓通→静修学園前(1998.09.12)
制御方式:VVVFインバータ制御(三菱逆導通サイリスタ)
主電動機:MB-5016A(60kW×2)
※発車する前に1度、非同期の音が聞こえてきます。

3300形 3300形
走行音[stb3300a.ra/163KB]
収録区間:中島公園通→山鼻9条(2000.07.27)
制御器:日車NC-193
主電動機:NE-40(40kW×2)
※3300形は330形の足回りを使用した車体更新車で、2000年8月現在3両が在籍しています。残る2両の 330形も同様に3300形へ更新される予定です。

240形 240形
走行音[stb240a.ra/139KB]
収録区間:西線16条→ロープウェー入口(2000.07.27)
制御器:日車NC-350
主電動機:MB-172またはSN-50(37.3kW×2)
※札幌市交の路面電車は1067ミリ軌条で、車体は細い印象が強いです。走行音も高速域で 甲高くなる「軽快型タイプ」のようです。


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(C)音鉄館/OTOTETSU-KAN/おとてつ 1997-2009 作成:1998年12月13日 最終更新:2009年1月25日
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